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廃液処理とは?廃液処理の方法と注意点をご紹介

工場や製造現場をはじめ、研究施設や食品工場、洗浄工程など、さまざまな事業活動で発生する「廃液」は、適切な処理が求められる重要な産業廃棄物です。
不適切な処理は法令違反になるだけでなく、環境汚染や企業の信用低下にもつながる恐れがあります。
近年は環境保全への意識の高まりに加え、廃棄物処理コストの上昇や人手不足への対応も企業の大きな課題となっています。
そのため、廃液処理の効率化やコスト削減を目的として、自社で処理設備を導入する企業も増加傾向にあります。
こうした設備投資や業務効率化は、中小企業の生産性向上にも重要な取り組みとして位置付けられています。
そこで、この記事では廃液処理とは何か、廃液の種類や処理方法、関係する法律、処理時の注意点までわかりやすくご紹介します。
廃液とは
「廃液」とは、製造業、研究施設、医療機関などの事業活動に伴って発生し、不要になり処理を要する状態になった液状の廃棄物の総称です。
事業活動に伴って発生する廃液は、すべて「産業廃棄物」として適切に処分しなければなりません。
日常生活から出る生活排水とは異なり、廃液には製造工程や実験で使用された化学薬品、溶剤、油分、重金属などの有害物質が含まれているケースが多く、そのまま環境中に放出することは法律で禁止されています。
廃液は、大きく「廃油」「廃酸」「廃アルカリ」などに分類できます。
- 廃油…廃原油、廃潤滑油、廃切削油、洗浄油など
- 廃酸…写真現像液、各種の廃酸液など(pH 2.0 以下の強酸は「特別管理産業廃棄物」に該当)
- 廃アルカリ…廃ソーダ液などを含むすべてのアルカリ性廃液(pH 12.5 以上の強アルカリは「特別管理産業廃棄物」に該当)
廃液は、中和処理、脱水処理、乾燥処理など、その性質に応じた適切な前処理を行った後、産業廃棄物収集運搬業者を通じて最終処分します。
廃液処理の法的ルール
廃液処理に関わる主な法律として、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」「水質汚濁防止法」「下水道法」が挙げられます。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」とは、廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図るための法律です。
事業所から発生する廃液を取り扱う上で、基本となる法律です。
工場などの事業活動で発生し、廃棄物として処理が必要となる廃液は、「廃酸」や「廃アルカリ」などの産業廃棄物として取り扱われます。
さらに、強い腐食性を持つ廃酸・廃アルカリや、有害物質を一定基準以上含むものなどは「特別管理産業廃棄物」に該当し、通常の産業廃棄物よりも厳しい管理基準が適用されます。
一方で、発生した液体がすべて産業廃棄物として処分されるわけではありません。
適切な処理を行い、水質汚濁防止法や下水道法などで定められた排水基準を満たしたものは、公共用水域や下水道へ排水できる場合があります。
この違いを正しく理解し、関係法令に従って適切に管理することが、コンプライアンスを徹底する第一歩といえるでしょう。
水質汚濁防止法
水質汚濁防止法とは、公共用水域の水質汚濁を防止するための法律です。
水質汚濁防止法では、特定の施設(特定施設)を設置している事業所に対して、排出する水の基準(一律排水基準)を定めています。
有害物質の許容量や、pH、BOD、COD、SS などの項目ごとに厳格な数値が設定されており、特に有害物質については 1 日の測定値が基準を超えないことが求められます。
生活環境項目については、日平均値として基準への適合が判断されます。
中小企業であっても対象となる施設を保有している場合は、この排出基準を常にクリアできるよう、自社で排水設備を適切に運転・管理する必要があります。
なお、都道府県や市区町村によっては、条例で国基準よりも厳しい「上乗せ基準」が適用される場合もあるため、所在地の自治体の基準を確認することが重要です。
下水道法
下水道法とは、下水道の整備を行うことで、都市の健全な発達、公衆衛生の向上および公共用水域の水質保全を図る法律です。
工場廃液を下水道に流す場合、水質汚濁防止法とは異なる独自の「下水排除基準」が適用され、基準に適合しない下水を継続して排除する場合は、中和槽や油水分離槽などの「除害施設」の設置が義務付けられます。
下水道に流す場合でも、下水排除基準を満たすための適切な前処理が必要であり、未処理の強い酸やアルカリ、大量の油分を流すと、下水管を腐食させたり、自治体の処理場の機能を停止させたりする恐れがあります。
万が一、これらの法令に違反して基準超えの廃液を流し続けた場合、改善命令や罰則(懲役や罰金)が科されるだけでなく、企業としての社会的信用を失うリスクにもつながります。
環境リスクは経営の安定を揺るがす重大な要素であるため、早期の対策が欠かせません。
廃液処理の主な方法と注意点
廃液処理の主な方法には、「前処理」「主処理(一次・二次処理)」「脱水処理・乾燥処理」「高度処理」があります。
前処理
廃液処理の初期段階で実施されるのが「前処理」です。
この工程では、後続の処理を安定して進めるために、比較的容易に取り除ける汚染物質をあらかじめ除去します。
具体的には、比重差を利用して油分を分離する油水分離や、廃液の酸度・アルカリ度を調整する中和処理、さらには凝集剤を加えて微細な汚れを塊(フロック)に変化させて沈殿しやすくする凝集処理などが代表的です。
主処理(一次・二次処理)
前処理の後に「主処理」を実施し、廃液中の汚染物質を本格的に分解・除去します。
業界や施設によっては、主処理をさらに「一次処理(物理的手法による固形物除去)」と「二次処理(燃焼処理や生物的手法による有機物分解)」に分けて行うケースもあります。さらに高度な処理が必要な場合は、「三次処理(窒素・リン除去、吸着処理など)」が追加されることもあります。
廃液の性状(有機系、無機系、有害物質の有無など)によって、最適な処理方式は異なります。
たとえば、有機系廃液には燃焼処理や生物処理が有効ですが、重金属を含む無機系廃液には化学沈殿や吸着処理が用いられます。
高度処理
高度処理とは、主処理(一次・二次処理)だけでは除去しきれない窒素・リンなどの栄養塩、浮遊物質、微量汚染物質、色・臭気などをさらに除去し、処理水質を仕上げる工程です。
排水基準が厳しい場合や、処理水を再利用する場合、また閉鎖性水域の富栄養化防止が必要な場合に実施します。
高性能ではありますが、その分、運転管理・維持費・トラブル対応の難易度も上がります。
目的水質に見合う方式を選ばないと、性能は出てもコストや保守負担が大きくなりすぎてしまう点には注意です。
脱水処理・乾燥処理
前処理によって固形化した汚染物質を、「脱水処理・濃縮処理」の工程で分離します。
「脱水処理・濃縮処理」は、廃液の体積を減らす「減容化」を実現する上で重要な役割を担っています。
ただし、臭気、粉じん、引火・爆発リスク、薬剤条件、処理後の保管性には、注意する必要があります。
特に乾燥工程はエネルギー負荷が大きいため、前段の脱水を十分に行い、目的に応じた運転条件を設定することが重要です。
まとめ
廃液処理は、環境保全や法令遵守だけでなく、企業の信頼性を維持するためにも欠かせない取り組みです。
廃液の種類によって適切な処理方法は異なり、関係法令を理解した上で、安全かつ適正に管理する必要があります。
また、近年は処理コストの削減や業務効率化を目的として、廃液処理装置を導入する企業も増えています。
自社の廃液の性状や処理量に合わせた方法や設備を選択し、効率的で持続可能な廃液処理体制を構築しましょう。
月島環境エンジニアリングでは、業界トップクラスの実績をもとに、お客様の目的に合った処理廃液装置をご提案いたします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
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