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粒状活性炭式溶剤回収装置、Dual Reflux 式溶剤回収装置

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粒状活性炭式溶剤回収装置、Dual Reflux 式溶剤回収装置

10年4月から既設VOC排出設備への規制がかかることが決定している。当社はそのVOC対策として焼却、触媒酸化、蓄熱式燃焼以外に溶剤回収できる装置を製造・販売しており、中でも粒状活性炭を使用した溶剤回収装置は、各フィルムメーカーやテープメーカーなどに90基以上の納入実績がある。

この装置は吸着能力が優れており、回収効率も高く、当社独自の低温脱着操作により吸着した溶剤の分解、重合を抑制でき、活性炭の寿命が繊維状活性炭よりも長く、また活性炭での溶剤の分解や酸化反応による発熱からの着火現象も抑制できる。

プロセスは非常にシンプルで、複数の活性炭充填槽を持ち、VOCを一方の槽で吸着し、もう一方の槽で脱着する。活性炭での吸着能力が高いことの裏返しで、脱着には多くの蒸気量を使用すると考えがちだが、吸着槽から排出される蒸気を減圧させたリボイラーに供給し、そこから発生する蒸気を脱着用に再利用することで、約60%以上の蒸気使用量を削減できる。

溶剤回収においては、活性炭方式以外にPSA方式が一般的に適用されている。従来のPSA方式はその吸着剤の性能から、低いVOC濃度のガス処理においては非効率なため、別途大きな濃縮装置を必要としており、その動力分のエネルギーを必要とする上、濃縮装置での回収効率はそれほど高くないため、全体としての回収率を高くすることができなかった。

今回当社が提示する新商品は、Dual Reflux PSA(二元還流型圧力スイング吸着)の原理を利用して、明治大学の茅原教授と共同で開発した装置である。本装置は常温下で操作し、脱着のために蒸気を必要としないため、回収溶剤の熱分解が無く、省エネである。また、水との分離装置も必要としない。

一方、従来のPSA方式との違いは、大きな濃縮装置の設置をすることがない上、回収した溶剤の一部が揮発したベントガスを大気に放出することなく、パージガス(窒素など)と共に原ガスと混ぜることにより、高価な吸着材の量を少なくすることができ、高効率な処理を可能としている。さらに、上記ベントガスが発生しないため、環境にもやさしい。

この新商品は、吸着側の塔を常圧~0.5MPaGの加圧下で操作し、脱着側は20~200Torrの真空下で操作する。

一つの塔が濃縮部と回収部に分かれ、吸着側の塔と脱着側の塔が各々1系列ずつある非常にコンパクトな装置である。原ガス中のVOC濃度が数百ppmからの適用が可能であり、装置がコンパクトな分、イニシャルコストを抑えることが可能である。

溶剤としては、トルエン、キシレン、塩化メチレン、酢酸エチル、エチルベンゼンなどが適用可能であり、フィルム、テープ、塗装・塗料、印刷、石油化学、クリーニングなどの業界への導入を視野に入れている。

図3 溶剤回収システムフロー

溶剤回収システムフロー

図4 Dual Reflux PSA 概念フロー

Dual Reflux PSA 概念フロー

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